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「心の洗濯散歩。」~厚葉君が代蘭に出会って~

「あれ……? 今日って何勤だっけ。……いや、仕事? ん?休み?」

ケータイの目覚まし時計がけたたましく鳴り響くベッドの中で、私は混乱していました。
頭に重いモヤがかかったような、不思議な感覚です。

それもそのはず、ここ数日の私のスケジュールは、準夜勤深夜勤が複雑に絡み合っていました。

日にち的には、そこまで猛烈な連勤というわけではありません。
しかし、夜中に働き、朝方に眠り、夕方に起きるような生活を繰り返していると「いつ寝て、いつ起きるのか」の境界線が完全に分からなくなってしまいます。

重い体をなんとか起こし、スマホの画面をじっと凝視しました。
カレンダーを確認して、脳細胞がようやく一本の線で繋がります。

「……公休。今日は休みだ!」

その瞬間、体にまとわりついていた疲労感が、スーッと引いていくのが分かりました。
このお休みの日を迎えるまで、本当に長く感じられました。
不規則な勤務を駆け抜けた後の公休は、まさにオアシスのようです。

外を覗くと、天気はあいにくの曇り空でした。
青空は見えませんが、私にとっては最高の「心の洗濯日和」です。
よし、今日はこの自由な時間を思いっきり満喫しよう。


第1章:雨上がりの特権と、田舎の「強制生存確認(笑)」

せっかくの公休ですし、日差しもそこまで強くありません。
「今がチャンス!」とばかりに、私は作業着に着替えて外へ飛び出しました。
ずっと気になっていた、畑と駐車場の草取りを一気に片付けてしまおうと思ったのです。

外に出て土に触れると、嬉しい誤算がありました。
昨日の雨のおかげで地盤が程よく緩んでおり、頑固な雑草たちが驚くほどスポンスポンと気持ちよく抜けるのです。
これなら、一仕事終えるのも早そうだぞと嬉しくなりました。

こうして朝からゴソゴソと活動していると、田舎ならではの「あのイベント」が幕を開けました。

「あんたー、最近見んじゃったっけど、元気かいな?」

声をかけてくれたのは、近所のおじ様(いや、おじい様でしょうか)。
田舎特有のカルチャー、通称「強制生存確認(笑)」です。

「はい、元気でしたよ!実は仕事が——」の「はい、元……」

のあたりで、おじ様はすでに私の返事を聞いていません。
ものすごい食い気味に、次のフレーズが飛んできます。

「今日は暑くなるのー」

「そうですね」と言おうとした、私の「そ……」

のタイミングで、どこからともなく別のおじ様2号が登場しました。

「昨日、病院に行っての」
「あれま、わしも昨日じゃった。合わんかったの」

ちょっと待ってください。
あなた方、おそらく全く別の病院に行っているはずです。

待合室で遭遇するわけがありません。(笑)
突っ込みたい衝動をグッと抑えているうちに、おじ様たちは二人で盛り上がりながら、スタスタと歩き去っていきました。

……私は、さっきの挨拶の輪の中に、一瞬でも存在していたでしょうか?
去りゆく背中を見送りながら、思わず苦笑いしてしまいました。

まあ、これが田舎の良いところです。
生存確認さえできれば、会話のキャッチボールなんて成立していなくても問題ありません。

実はこの「強制生存確認」、笑い話のようですが、本当に地域を支えています。
地域の保育園生から中学生に至るまで、この網の目はしっかりと張り巡らされているのです。
親御さんたちにとっては、これ以上ない防犯になりますよね。

聞けば、自治体が年配の方々に向けて「どうせ散歩をするなら、子供たちの下校時間に合わせて歩いてほしい」とお願いしているそうです。

お互いがお互いを見守る、少しお節介だけど温かいシステム。
おじ様たちの噛み合わない会話にクスッと笑わせてもらいながら、私の心はさらに軽くなっていきました。


第2章:視点が変われば、世界が変わる

草むしりを無事に終え、午後からは体力を戻すための散歩に出かけることにしました。

最近、こうしてブログを書き始めてから、自分の心境に明らかな変化が起きていることに気づきます。
今までなら、スマートフォンをいじりながら、あるいは何も考えずに通り過ぎていた道でした。
しかし、「言葉にしよう」「文字にしよう」と思って歩くだけで、周囲の景色が急に解像度を上げて、目に飛び込んでくるのです。

「あれ? あんなところに、あんな大きなもの、あったっけ……?」

散歩道の途中、田んぼの畔(あぜ)に、圧倒的な存在感で佇む「彼」と目が合いました。
今まで何度も何度も、それこそ何百回と通っていた道なのに、完全に背景と同化していた植物です。

その名は「アツバキミガヨラン(厚葉君が代蘭)」

アツバキミガヨラン:厚葉君が代蘭

名前に「君が代」が入っていることにも驚きましたが、何よりそのスケール感に圧倒されました。
私の身長は176cmあります。
大柄な部類に入る人間だと思うのですが、そのアツバキミガヨランの花は、私の遥か上、見上げるような高さまでニョキニョキとそびえ立ち、白い花を無数に咲かせていたのです。

「すごいな……。私より全然大きい」

じっと見つめていると、自然の生命力の強さに圧倒されます。
なぜ今までこれに気づかなかったのでしょう。
自分の視野の狭さに驚くと同時に、ブログのおかげで新しい世界の扉が開いたような、とても得した気分になりました。


第3章:足元に広がる、鮮やかさと不思議

視線をもとに戻すと、その巨大なランのすぐ横には、全く対照的な世界が広がっていました。

足元にに咲いているのは、マツバギク(松葉菊)です。
曇り空のどんよりした空気を吹き飛ばすような、目の覚めるような鮮やかなピンク色でした。
パッと心を明るくしてくれるその色彩は、まるでおじ様たちの元気な笑顔のようでもあります。

マツバギク:松葉菊

そして、そのさらに隣には、今まで見たこともない不思議な形をした「花」が咲いていました。
にょっきりと伸びた茎の先に、オレンジ色や黄色の管が集まったような、とてもエキゾチックな花です。

「これ、なんの植物だろう?」

気になって根元を覗き込んでみて、思わず「あ!」と声が出ました。
そこに生えていたのは、誰もが一度は見たことがある、あの肉厚でトゲトゲした葉っぱだったのです。

「アロエだ……! キダチアロエって、こんな花が咲くんですね!」

花の下には、見慣れた葉が!アロエですね。

実家のお庭や、誰かの家の玄関先でよく見かけるアロエ。
傷口に塗ったりヨーグルトに入っているあのアロエが、まさかこんなに個性的で情熱的な花を咲かせるなんて、想像もしていませんでした。

ただ歩くだけの散歩が、一瞬にして植物園の観察ツアーに化けました。
日常には、気づかれていないだけで、たくさんの「面白い」が転がっているのですね。


第4章:ポケットの中の「相棒」と共に

「よし、ちょっと走ってみようかな」

心地よい刺激に包まれてテンポが良くなった私は、体力作りのために、道中たまにランニングを挟んでみることにしました。

走り出した瞬間、ズボンのポケットの中で、私のスマートフォンが「グワングワン」と大きな存在感を主張し始めます。
歩数計のアプリか、あるいは何かの通知でしょうか。
ポケットの中で暴れる相棒の振動が、なんだか可笑しくて仕方がありません。

「待ってろよ、今帰ったら、この面白い景色を全部文字にしてやるからな」

スマホに向かって心の中で語りかけながら、私は家路を急ぎました。

不規則な勤務でボロボロだった心と体は、雨上がりの土の匂い、おじ様たちの適当で温かい挨拶、そして見上げるほど大きな君が代蘭のおかげで、すっかりピカピカに洗濯されていました。

さて、次のお休みはどんな出会いが待っているでしょうか。
まずはこのホカホカした気持ちのまま、ブログの執筆に取り掛かることにします。

もう散歩も暑い季節になってきました!最近の散歩グッズです。

私は30㎝の上記スニーカーを愛用しています。30㎝なのでなかなか無いんですよね(笑)

汗かくので、安いやつで十分。でもアディダス(笑) なんと今ならもっとお安く!!

ドライが良いね!

日本代表選手愛用。この言葉に興味を惹かれる(笑)

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